さらにTPPについて~。
ISD条項の危険性について、政府は国会で「…確かにアメリカ・カナダ間などでも起こっているが、最近は乱発はよくないと自重する傾向にある。日本も他国とISD条項をたくさん結んでおり危険性はない」(意訳)と答弁しています。
TPPってのは、国際ルールをつくっていく協定と聞きました。
ルールづくりの中で、国益を勝ち取っていくという協定だと聞きました。
それなのに、前述の通り日本政府はあいかわらずルールを追認する発想しかないのが残念。
ルールづくりを主導するという発想にならない所が日本人的といいますか。
それでは、前の前のエントリーに書いたように、とてもアメリカの交渉力に勝てるとは思えません。
「ISD条項をもう一度よく検討し、国益にそぐわない点がみられれば作りなおす。認められなければ入らない」
くらいのことは言って欲しいものです。
(「改正を求めていく」じゃなくて、「(自ら主導して)作りなおす」というところがミソ)
あと、TPPを安全保障にからめて論じる人がいますが、これはぜんぜん違うと思うぞ。
安全保障というのはなんのための安全保障かといいますと、中国の脅威からの安全保障なわけで。
TPPはFTAAPへの道という話しなのに、安全保障をからめてしまったら、仮想敵国扱いの中国が、TPPに入るわけがない。
TPPにおいて、FTAAPと安全保障は両立しない論。
知的財産・著作権についても「海賊版を取り締まれて万々歳じゃないか」といった乱暴な推進論が多く、フェアユース(パロディを認める判例)や著作権期間など、これについてはもっと決め細やかな議論があり、文化庁でも何度か議論してるにもかかわらず、そういった乱暴な推進論しか出てこないところを見ると、あーぜんぜんわかってないな、と。
こんな程度の知識も持っていないのに交渉にのぞむなんて、アメリカに負ける、こんなんじゃ協議に入る前から負ける…。
それと、「アメリカの陰謀という妄想はやめた方がいい。アメリカはそんなことしないから」という言い方をするTPP推進論客さんをよくみますが、こういう議論は不毛だと思う。
現に、アメリカは「自動車・牛肉・簡保の開放」というとんちんかんなことを日本に求めてきたという事実があるわけです。
つまりアメリカは「日本の事情は知りません、自国の国益を優先します」というメッセージを発してきたということ。
これはアメリカ陰謀説などのまやかしではなく、まぎれもない現実なわけで。
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